『トイ・ストーリー5』が描いたSNS時代の子どもたち

デジタル・シティズンシップ教育が必要な理由

2026年夏、映画『トイ・ストーリー5』が公開されました。長年愛され続けてきた、子どもとおもちゃの絆を描く人気シリーズです。

今作では、人間の女の子・ボニーがタブレット端末「リリーパッド」でゲームをしたり、ダンススクールの友達とチャットを楽しんだりするようになります。これまでボニーの想像力の中で一緒に冒険をしてきたおもちゃたちは、自分たちと遊ぶ時間がタブレットに置き換わっていくことに戸惑いを覚えます。

しかし、物語は単に「子どもがおもちゃで遊ばなくなった」という話では終わりません。

ある日、友達の家にお泊まりに行ったボニーは、持って行ったおもちゃのジェシーとブルズアイを見て「赤ちゃんみたい」と笑われてしまいます。さらにチャットでは、からかうようなメッセージや泣いている赤ちゃんの画像まで投稿され、ボニーは深く傷ついてしまいます。

両親は状況を重く受け止め、しばらくチャットから離れることを提案します。しかし、それをきっかけにボニーは友達との関わりそのものを避けるようになってしまいます。

この描写は決して映画だけの特別な出来事ではありません。

現実の世界でも、子ども同士のチャットやSNSでは、心ない言葉や仲間外れ、集団で一人をからかうようなやり取りが起こっています。さらに現実には、誹謗中傷、個人情報の流出、ネット詐欺、犯罪への勧誘、不適切なコンテンツへの接触など、子どもたちを取り巻くリスクはさらに複雑です。

そして、これは日本だけの問題ではありません。映画の舞台であるアメリカでも、ヨーロッパでも、同様の課題が社会問題となっています。インターネットを利用する国々に共通する課題だからこそ、世界中の観客がボニーの姿に共感できるのでしょう。

ボニーは8歳という設定です。

もし現実の8歳の子どもが、SNSやチャットで同じような経験をしたら、「よくあることだから気にしなくていい」と受け止められるでしょうか。

多くの保護者や教育関係者は、「子どもを守りたい」「同じ思いをさせたくない」と考えるはずです。

こうした背景から世界各国で進められているのが、デジタル・シティズンシップ教育です。

デジタル・シティズンシップ教育は、危険を避けるための知識だけではなく、一人ひとりがデジタル社会の一員として責任ある行動を選択し、より安全で建設的なインターネット環境を築いていくことを目指しています。

もう一つ忘れてはならないのは、「危険だからインターネットを使わない」という選択は現実的ではないということです。

現在、学校生活や社会生活において、スマートフォンやインターネットをまったく使わずに生活することは非常に困難です。将来、子どもたちは進学や就職を通して、自分自身の判断でSNSや生成AIを活用し、多くの人とコミュニケーションを取るようになります。その重要性は今後ますます高まっていくでしょう。

だからこそ、大人になってから使い方を学ぶのではなく、適切な年齢から準備を始めることが重要です。

SNSやスマートフォンを使い始める時期に、親子や友達、学校で共通の考え方やルールを学ぶことは、お互いを尊重しながら安心してコミュニケーションを続けるための土台となります。

オリザハウスのデジタル・シティズンシップ教育プログラムは、ヨーロッパで開発され、各国で実践されてきた教育プログラムを日本の学校や社会に合わせて翻案したものです。

児童・生徒だけでなく、保護者や教職員も共通の視点で学ぶことができるため、家庭・学校・地域が連携したデジタル・シティズンシップ教育の実現を支援します。

子どもたちが安心してデジタル社会を生きていくために、私たちにできることを一緒に考えてみませんか。

教育プログラムの詳細や資料請求は、以下よりお気軽にお問い合わせください。

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